
大規模システム調達は、ベンダーを公平・客観的に絞り込めるかが成否を決めます。経営層・株主・監査への説明責任を果たしながら、業務適合性とコストの両面で最適解にたどり着くため、本方法論は6ステップで段階的にフィルタリングしていくプロセスを定型化しています。
こんなときに使う
- ERP・基幹システム等の大規模調達を予定
- 客観的な評価プロセスを経営層・株主に説明する必要がある
- ベンダー多数を効率的に絞り込みたい
想定期間
組織規模・既存資産・並行プロジェクトの状況に応じて調整可能です。
詳細ステップ
ロングリスト作成(市場調査)
市場の主要製品をすべて棚卸し。10〜20製品程度のロングリストを作成。
現場の知見:ここで「メジャー製品しか拾わない」と、後段で意外な選択肢を見逃します。ニッチ製品も一旦リストアップした上でショートリストで絞ります。
ショートリスト絞り込み
業務適合性・規模・コスト・サポート体制で一次評価。5〜10製品にショートリスト化。
現場の知見:ショートリストの評価軸は事前に経営層と合意します。後付けで軸を変えると「結論ありき」と誤解されます。
RFP配布・回答受領
業務要件・非機能要件・契約条件を明記したRFPを配布。質疑応答を経て回答を受領。
現場の知見:RFPの質問項目は100〜200問の具体的な質問形式が理想です。「概要を教えてください」では各社の差が出にくく、評価しづらくなります。
デモ評価・スコアリング
実機デモ・ハンズオンを通じて評価。事前定義した評価軸でスコアリングし、定性評価も併記。
現場の知見:デモは「ベンダー側の都合の良いシナリオ」になりがちです。クライアント側で具体的なユースケースを提示し、実演してもらう形式が公平です。
ファイナリスト3社の比較
上位3社で深掘り評価。リファレンスチェック、契約条件交渉、TCO比較を実施。
現場の知見:リファレンスチェックは「ベンダー紹介の顧客」だけでなく、業界他社経由でも独自に行うのが理想です。
最終選定・稟議
選定理由を明確にした稟議資料を作成。経営層・株主・監査への説明資料も併せて準備。
現場の知見:選定理由は「Aを選んだ理由」だけでなく「BやCを選ばなかった理由」も明記すると、説明責任が果たせます。
主な成果物
典型的な失敗パターン
- RFPが曖昧でベンダーが解釈に困る → 業務要件を100問以上の具体的な質問形式にする
- スコアリング軸を後付けで決め、選定理由が説明できない → 事前に評価軸を経営層と合意する
- ベンダー数を絞らずRFPを20社に配布 → 評価工数が破綻する。ショートリストで絞り込む
RFP・ベンダー選定の本質は「説明可能な意思決定プロセスを作る」ことです。最終選定理由を関係者・監査人・株主に明確に説明できる状態を作ることが、選定そのものより重要です。本方法論は約3〜6ヶ月のプロセスですが、規模や緊急度に応じて短縮版(3ヶ月)にもアレンジ可能です。



